健康のカギを握る!『脳脊髄液』の循環
脳脊髄液(脳せきずい液)って聞いたことがありますか?私たちの身体を循環する主な体液は、血液、リンパ液、脳脊髄液の3つです。この3つの体液がスムーズに循環すること、これこそが健康でいるための鍵を握っています。もしかしたらあなたの慢性不調、病院に行っても治らない症状、原因不明の不調は、脳脊髄液の循環不良によって起こっているかもしれません。それでは脳脊髄液について、できるだけ分かりやすく説明していきます。ぜひ最後まで読んでみてくださいね^^
ー目次ー
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1.脳脊髄液ってなに?
2.脳脊髄液の循環
3.どうして脳脊髄液の循環が悪くなるの?
4.頭蓋骨はなぜ歪む・・・?
5.脳脊髄液の流れをスムーズにして、不調を改善しよう!
6.おまけ~頭蓋骨は呼吸している?!
脳脊髄液ってなに?
脳脊髄液(脳せきずい液)とは、脳の中(第3・4脳室)で作られ、くも膜の下の空洞を流れる体液です。リンパ液と違って白血球は含まれません。
脳脊髄液の役割はおもに3つ。
① 衝撃から脳を守る
脳の周囲を髄液で満たしてクッションのような役割をすることで、外部からの衝撃から脳を守っています。脳は水の中で浮いている状態なのです。
(頭蓋骨の下は硬膜⇒くも膜⇒空洞⇒軟膜⇒脳の順です)
② 栄養素の運搬
脳や中枢神経に栄養を運んでいます。脳脊髄液は細胞・内臓・筋肉にも循環していると言われ、全身に栄養を運んでいるという説もあります。
◆ 脳や神経に栄養が不足すると・・・脳や神経の働きが低下し、うつ病、自律神経失調症、不眠、慢性疲労、更年期症状、頭痛、不妊、婦人科系トラブル、坐骨神経痛などに影響する
③ 老廃物の回収
脳や脊髄神経の老廃物を回収します。
◆ 脳に老廃物が溜まると・・・神経細胞の働きが悪くなったり脳が委縮し、うつ病、アルツハイマー、自律神経失調症、情緒不安定、思考ややる気の低下などに影響する
脳脊髄液は脳の中を循環し、背骨を通って仙骨まで流れ、全身に栄養を運び老廃物を回収しています。栄養だけでなく、ホルモンや神経伝達物質も運ぶと言われており、身体にとって非常に重要な役割を持っています。
脳脊髄液の循環
脳関髄液に関してはまだ未解明な部分が多く、その循環は【脳の中で作られ、全身の神経に栄養を運び、仙骨まで行き脳に戻る】と言われていますが、【静脈やリンパ液を通って身体中を循環し、脳に戻る】とも言われています。
『脳脊髄液』の循環が悪くなると上に書いたように中枢神経をはじめとする神経系やホルモン分泌に大きな支障をきたすため、脳脊髄液の循環は全身に影響します。
また、脳脊髄液がうまく循環せず脳内に溜まってしまうと、脳圧や耳の中のリンパ圧が上がり、頭痛・めまい・耳鳴り・難聴などに影響します。
脳脊髄液の循環不良によって、脳脊髄液が多すぎたり、栄養が行き届かない、老廃物が回収されないことにより、脳の新陳代謝は衰え、自然治癒力や免疫が低下し、神経系やホルモン系、臓器にも影響が起きるため以下のような症状が発生すると考えられます。
<脳脊髄液の循環がうまくいかないとこんな不調が起きる!>
脳脊髄液の循環は、心身の不調と大きく関わっているのです。
どうして脳脊髄液の循環が悪くなるの?
主な理由は、頭蓋骨の歪みです。
頭蓋骨が歪むと、
①脳脊髄液が流れる『くも膜の下の空洞』が潰れる
②頭蓋骨の伸縮(膨張・収縮)の動きが悪くなる
これにより、循環が悪くなります。
くも膜の下の空洞はとても狭く、その隙間が潰れてしまうと脳脊髄液はスムーズに流れることができません。
また、②の頭蓋骨の伸縮は脳脊髄液の循環にとって、とても大切な役割を果たしています。
頭蓋骨は、23個の骨がパズルのように組み合わさってできています。それぞれの骨に縫合部(つなぎ目)があり、わずかですがこの縫合部分が動いて膨らんだり縮んだりしています。健康な人でだいたい1分間に6~12回くらい、この動きが行われています。みなさんも頭を優しく包み込むように触ってみると分かるでしょう。
この動きが脳脊髄液を循環させるポンプのような役割を果たしていて、『脳脊髄液』がスムーズに循環するのです。
つまりこの膨らんだり縮んだりする動きが弱かったり回数が少ないと、脳脊髄液の循環が悪くなってしまうのです。
頭蓋骨はなぜ歪む・・・?
それでは、頭蓋骨はなぜ歪むのでしょう?
頭蓋骨が歪む原因はいくつかあります。
① 硬膜が緊張する
硬膜は頭蓋骨だけでなく、頸椎から背骨を通って仙骨につながっています。”転んでお尻を強く打ったら脳にまで響いた”という経験がある方もいるでしょう。骨盤・背骨・首の歪み、緊張、ストレスによって頭蓋骨の硬膜は簡単に緊張し、頭蓋骨を内側から引っ張るようにして頭蓋骨が歪みます。
② 内臓の疲労・不調
内臓と頭蓋骨は交互に反射を起こす関係です。内臓の不調によって、頭蓋骨が歪みます。
③ 胎児のころの影響
実は私たちが母親のお腹の中にいるときから、頭蓋骨は歪み始めます。妊娠7~8ケ月のころから胎児は頭が下になり母親の骨盤にはまるような状態になりますよね。また、生まれるときには狭い産道を通ります。胎児はまだ頭も柔らかく頭蓋骨は完成していませんので、歪んだまま頭蓋骨を形成してしまいます。そして母親のお腹の中にいるときに受けるストレスによってもまた歪みに影響があります。
※クラニアルセラピーは非常にソフトタッチであるため産後1日目から行うことができ、頭蓋骨の歪みを戻すことで健全な成長を促し、乳児期から起きる不調(アトピーなどを含む)を取り除くことができると言われています。
脳脊髄液の流れをスムーズにして、不調を改善しよう!
脳脊髄液に関してはまだまだ未知の部分もありますが、脳脊髄液の循環が私たちの心と身体の健康に大きく関わることはもう明らかです。
脳脊髄液の循環を改善するためには・・・
① 硬膜の歪み・硬直・こわばり・引きつれを改善する
② 内臓の状態を良くする
③ 身体の緊張を取り、柔らかくする
④ ストレスをなくす(軽減)
などに取り組みましょう。
②③に関しては、生活習慣・食生活の見直し、ストレス軽減、質の良い睡眠を取るなどが必要です。また、ストレッチや運動も取り入れましょう。
①の硬膜の状態を改善する方法として、『クラニアルセラピー』というものがあります。
このクラニアルセラピーは、硬膜の歪み・緊張・こわばりを改善する手法。とにかくソフトタッチで、骨を強く触りません。気持ち良くて全く痛みや恐怖感がないんです。この施術を始めると、お客様はほぼ100%眠ってしまいます。
実は施術中や終わった直後には「わ~流れた~」とか「〇〇が良くなった~」というような体感はほぼありません。ただ、以前私の祖母に施術をしたときに大きな変化が出て、家族中がビックリしたことがありました。
それがこちら。
どうですか?これはクラニアルセラピーのみを行ったもので、背中などは一切触っておりません。曲がっていた姿勢がかなり改善されて、楽に立てるようになりました。体感がなくても、実際にはこのくらいの変化があるのです。(もちろん個人差はあります)
頭蓋骨の硬膜は、首・背中・骨盤につながっている。
脳脊髄液は頭から背中を通って、仙骨まで流れている。
これがよく分かる例ですよね。
また硬膜の歪みを取ることで頭の形も変わります。それが目的ではないですが、頭蓋骨の形も循環の良い状態に戻ります。だからお子さんに施術すると、頭を撫でた時の感覚が全然違ってみなさんビックリします^^(頭の形が良い=循環が良いということではありません。硬膜の歪みやこわばりの問題ですので)
脳脊髄液の循環を改善することで、心も身体も元気を取り戻します♬
『クラニアルセラピー』をご希望の方は、オプションで追加または脳疲労改善コースで受けられます。メニューのご相談もお気軽にしてくださいね♡
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頭蓋骨は呼吸している?!
私たちの呼吸は肺呼吸です。が、これは【2次呼吸】と言われています。お腹の中にいる胎児のころは、空気を吸って肺で呼吸することはできません。オギャーと外の世界に出て初めて、肺呼吸が始まります。
実はお母さんのお腹の中では、【1次呼吸】と呼ばれる呼吸をしていました。
それが、この頭蓋骨の伸縮=脳脊髄液の循環です。お腹の中で、仙骨と頭蓋骨の一部を連動して動かし、脳脊髄液や他の体液を循環させていたのです。
この1次呼吸はあまり知られていませんが、2次呼吸と同じくらい大切なものです。これを読んだみなさんは、もうそれが分かったはず。今日から脳脊髄液の循環をスムーズにする生活をしてみてくださいね^^