着圧ソックスの効果とリスク

着圧ソックスは、もはや【むくみ女子の必需品】かもしれません。むくみが取れる、足が細くなる、ヒップアップする、おまけにあのキレイな芸能人もみんな使ってるみたい！（本当かどうかは分からないですが）

結論から言うと、着圧ソックスを履くともっとむくみがひどくなるリスクがあります。

着圧ソックスは効果がある、のにもっとひどくなる？その謎に迫ります！

着圧ソックスでむくみや疲れが取れる仕組みはコレ！

着圧ソックスは、その名のとおり内側にギューッと圧を加えていく靴下です。マッサージのように、疲れた足を押されると気持ちいいのかもしれません。

脱いだときには、むくみが取れていたり、疲れが軽くなることも多いのではないでしょうか。効果が出ているからこそ、ロングラン商品なのでしょう。（私もむか～し、使っていました）

では着圧ソックスは、どうして圧を与えるだけでむくみが取れたり、足の疲れが改善されるのでしょうか？その仕組みはとても簡単！

たとえば庭などで使うシャワーホースを思い浮かべてください。

水を出したホースの真ん中を、足で思いっきり踏んで流れを止めてみましょう。するとシャワーヘッドから水は出なくなり、ホースは踏んでいるところを境にパンパンに膨らみます。蛇口からは水を出し続けているので、行き場のなくなった水はホースの中で溜まっていきますよね。

ここからがポイントです！

このあと、ホースを踏んでいる足をパッと離します。するとどうなるでしょうか？

水は勢いよく流れ出し、シャワーヘッドからはドバーッと水が飛び出します。ホースもシャワーヘッドも一気に大量の水が流れてくるので、手で持っているのが大変なほど強い力がかかります。

これが着圧ソックスの仕組み。

➡ホースの水＝血液やリンパ液
➡ホース＝血管やリンパ管　です。

ソックスで圧をかけることで一時的にぎゅっと血管やリンパ管をしぼって（狭くして）流れを悪くします。すると、着圧ソックスを脱いだときに血管やリンパ管がパッと拡張して、血液やリンパ液が一気に流れ出すのです。一時的に流れを止めると、そのぶん勢いがついて流れるというわけです。

着圧ソックスは効果が出る！なのになぜ「むくみがひどくなる」のか？

足のむくみや疲れの原因の多くは、血液やリンパ液の循環が悪いことによって起こります。たまった疲労物質が排出できなかったり、水分調整がうまくできないのです。

着圧ソックスの「ぎゅ～⇒パッ」の原理で血液やリンパ液が流れるならいいんじゃないの？と思うかもしれません。

確かに、一時的に使用するのであれば問題ありません。たとえば長時間のフライトや、日常生活でよほどつらい時など。問題は「いつも使う」「長い時間使う」ことなのです。

ホースの例を思い出してください。長いあいだ圧をかけ続けると、ホースに負担がかかりますよね。さらに再び水を流したときには内側からも強い力がかかります。ホースはそのうちにボロボロになり、弾力を失います。

同じように、血管にもリンパ管にも、脂肪や筋肉にも負担がかかるということです。

弾力を失った筋肉や血管は、むくみや循環不良を起こします。

実際にこんな話があります。

お医者さんからすすめられて着圧ソックスをずっと使い続けた結果、足が慢性的にひどくむくみ、自分の力では解消できないほどになってしまった方がいました。もちろん着圧ソックスを履いてももう効果はスズメの涙ほど。足はパンパン、どこを触っても痛みが出ます。便利だと思っていたグッズも使い方を誤ると、身体は使う前よりも悪くなってしまうのです。（※ちなみに私の施術後、スーッとむくみが取れてふくらはぎも膝周りもスッキリしました♡）

神経やホルモン分泌にも影響を及ぼす？！

この話は血圧とも関係しています。

血圧とは血管壁を内側から押す圧力のこと。血管に圧をかけると当然、血圧が高くなります。着圧ソックスが血圧の低い人にもオススメされるのは、こうした理由からです。血圧は自律神経やホルモン分泌などにも関わるため、慢性的に血圧を上げていると血管だけでなく身体の様々な機能に影響を及ぼします。

着圧ソックスは、使い方をしっかり守ることが大切

医師などからもすすめられる着圧ソックス。医療の現場でも活躍しています。

誤解しないでいただきたいのですが、着圧ソックスそのものが悪いわけではありません。ただ、誤った使い方や長期・高頻度で使用する場合のリスクを知っておかなければいけないのです。

一言で『着圧ソックス』といっても、使う時間・時間帯・頻度・圧・素材など様々です。また、使う側の原因や状態も個人差があります。それらを見極めずに、安易にキャッチコピーに惹かれ、「足を細くしたい」「むくみがひどいから長く履いておこう」「寝るときには毎日履く」など慢性的に使い続けることは将来にわたって非常に危険です。

※リスクを説明しない宣伝も悪いし、お医者さんの中では商品開発に関わっていたり販売会社と繋がっていて”たくさん売ることが目的”の人もいますから。そういった世界ですよ、表を見たら裏も見ないと。

むくみも疲労も、自分の力で改善できるよう根本解決（＝血液やリンパの循環不良を改善）することが大切です。
『着圧ソックス』は一時的に助けてくれるもの、ということを忘れないようにしましょう。

最後に。これだけは覚えておいてほしいです。

身体を締め付けるものはどんなものであれ循環を悪くします(;_;)

ブラジャーやガードルも同じ。締め付けがきついものは、循環を妨げるから要注意です。加圧式ほにゃらら～も同じで、負担をかけすぎると身体はボロボロになり、アンチエイジングどころか逆にエイジングが進みます（！）。１年後、３年後と近い将来のためではなく、おじいちゃんおばあちゃんになっても健康でいるために、頭の片隅に入れておいてくださいね。^^

長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました(#^^#)
『実は身体に悪かった！？』シリーズ、また書きたいと思います！